2019/01/07 弁護士のひとりごと
レビンさん-急性腎不全と闘った猫②
11がつのはじめ、拾いさんは、おかあさんに気づかれないように、そっとぼくをキャリーケースにいれた。
そして、くるまにのせて、ママの家につれていった。
アリーおかあさん
ママはよろこんで、「きょうからは、ここが、あなたの家よ」といった。
そして、ごはんと、水と、トイレをよういしてくれて、そっとでかけた。
ぼくは、はじめての家にとまどった。
でも、なにをかくそう、ぼくは、とってもくいしんぼうなんだ!
目のまえの、ごはんのゆうわくには、かてない。
ママのいないあいだに、ごはんをたべた。
たべたら、ねむたくなった。
拾いさんのところで、おしえられたとおり、トイレでおしっこをしてから、ねむってしまった。
ママは、かえってきて、おさらのごはんがなくなっているのをみて、ほほえんだ。
そうこうしていると、にんげんのおとこの子がやってきた。それが、まーくんだ。
まーくんはこのとき10さい。ママよりもちいさかった。
よるになり、ママは、またでかけた。すると、こんどは大きなあしおとがして、大きなおとこのひとがやってきた。
ぼくは、ママや、まーくんの、かんだかいこえは大すきだ。でも、おとこのひとの、のぶといこえは、大きらい!
あやしいやつだ!でていけ!
ぼくは、こわかったけど、ゆうきをふりしぼってさけんだ。
すると、おとこのひとは、こまったように、でんわをはじめた。
「ねこが、『シャーッ』っていうんだけど」
ママがあわててかえってきた。
そして、そのおとこのひとが、「パパ」だって、おしえてくれたんだ。
パパってなあに?
ぼくたち、誇りたかいねこには、「パパ」がいない。ごはんをくれたり、トイレのせわをしてくれるのは、おかあさんだけだ。
ママによると、「パパ」っていうのは、そとへいって、ごはんをもってかえってくれる、にんげんだそうだ。
なんだか、よくわからないけれど、まあいいや。誇りたかいねこは、こまかいことには、こだわらない。
その日、ママと、パパと、まーくんはかぞくかいぎをひらいた。
ぎだいは、「ねこのなづけについて」
パパはいう。
「この子の、かおのもようは、いなずまみたいだから、なまえは、『レビン』にしよう」
ママは、ぶつぶついってたけれど、けっきょく、パパにおしきられた。
そうして、ぼくになまえがつけられた。
なんだか、よくわからないけれど、まあいいや。誇りたかいねこは、こまかいことにはこだわらない。
レビンでいいよ。
ある日、ぼくのぬけ毛にきがついたママは、ブラシをもってかえってきた。
そして、ぼくを、おふろばの、ふろいたのうえにのせ、ブラシで、からだをさすってくれた。
・・・・・・にゃ~んてきもちいいの!?
とくに、あごをかいてもらうと、こうこつとしてしまう!ふにゃ~ん。
いかん、いかん!これでは、誇りたかいねこの、めんもくまるつぶれ。
でも、ぼく、ブラッシング、きにいった!!
それいらい、ぼくは、ふろいたのうえにのって、ママに、ブラッシングをねだるようになった。
もしぼくが、おねだりをわすれてもだいじょうぶ。ぼくにおねだりしてもらえなくて、ちょっとさみしいママが、「ブラッシングする~?」とぼくをよぶ。
もちろん、ぼくは、おふろばへすっとんでいく。
いかん、いかん!これでは、誇りたかいねこの、めんもくまるつぶれ。
それからしばらくして、ママは、パパにいう。
「ねえ、レビンは、ねこなんだけど、なんだか犬みたいよね」
・・・・・・なんですと?
ぼくは誇りたかいねこだ。
犬などという、にんげんにこびをうる、いきものとは、まったくちがう!だんじて、ちがう!!
「どうしてそうおもうの?」パパはママにきく。
「だって、『ねこは、きまぐれないきもので、ごはんをあげても、いっきにはたべず、きがむいたときに、ちょこちょこたべます』って本にかいてあるけれど、レビンはごはんをあげると、犬みたいに、いっきに、ぜんぶたべちゃうもの」
・・・・・・ママ、十ねこ十いろ、ってことばがあるの。本のとおりとはかぎらないの。ぼくは、とりわけくいしんぼうなねこなんだよ。